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成約者の声:先代から続く会社をM&A 〜M&Aによる営業力補完戦略で、自社の企業価値向上・従業員の幸せを実現〜

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2026.04.21
  • コラム

成約者の声:先代から続く会社をM&A 〜M&Aによる営業力補完戦略で、自社の企業価値向上・従業員の幸せを実現〜

会社の沿革と概要を教えてください。

 弊社は主に表彰用の楯やトロフィーへの名入れやエコバッグやTシャツ等にプリントを行う表彰用品・記念品製造加工販売を行っています。従業員約20名の会社です。
 創業は昭和37年であり、私の父が創業をしました。創業当初は織物工場としてスタートし10年ほど運営をしておりましたが、縁があり楯板の製造を行うようになり表彰用の楯板製造に事業をシフトしていきました。

 

 十数年前に楯板製造を内製から外注中心に移行、それと同時に製造プロセスを見直し、シルク印刷(Tシャツ・バッグ等)を開始。楯板製造というハード面から表彰文や名入れといったソフト面を自社のコアと再定義し、刻印・印刷技術・運用を強化。表彰用品に限らず、アパレルや雑貨へのオリジナルプリントなどに展開し、市場機会を拡大。媒体横断で価値提供を拡張し事業を行っております。

 

事業承継を考えたきっかけは何だったのでしょうか?また事業承継の中でM&Aを選択された背景は何だったのでしょうか?

 事業承継を考えたきっかけは年齢的な要因が大きかったです。70才で一線から退く予定で思っておりましたから、あと4~5年ほどかけて事業承継ができればと思っていました。そんなおり公的機関より事業承継の案内が届き、軽い気持ちで相談しに行ったのがきっかけです。

 

 M&Aを選択したのはM&Aが一番良いと思ったからです。自分の子供は息子3人娘1人と4人おりますが、それぞれの子供たちの状況を考えると継がせる選択肢は当初からありませんでした。

 

 子供たちに話したのはM&Aをした後です。報告をしても「よかったね」と言ってもらい反対はありませんでした。

 

 従業員への承継についても、幹部社員2名に「第三者承継・親族承継・従業員承継・廃業」の選択肢を提示し意向確認。従業員から従業員承継の希望は出ず、廃業の選択肢はなかったのでM&Aによる第三者承継を選択しました。

 

先代から続いた会社を第三者へ任せることへの葛藤はなかったでしょうか?

 会社の現状を冷静に分析すると技術力はあるのですが営業力を課題としておりました。そのため今後の会社の成長を考えると営業力の強化は必須事項でありましたので、営業力のある会社と一緒にやっていくことは必要な戦略でした。営業力が強化できれば会社を今まで以上に伸ばしていけると思っておりましたし、会社が成長すれば従業員の雇用も維持でき従業員のためにもなります。

 

 譲渡への葛藤というよりは譲渡の時期的なことでは悩みはありました。当初は70才くらいで譲渡ができればと思っておりましたので数年かけて譲渡できればよいと思っておりましたので。それが想定より早く話が進んだので一度は時期尚早というのもあり今回譲渡した会社からのお話をお断りしました。ただ、先ほど申し上げた会社の今後のことや従業員のことを考えるとどちらが良いのかと考えたときに会社を成長させ従業員が幸せになることの方が重要だと思い譲渡をする決断をしました。そこからは迷うことはなかったです。

今回の譲受先を選ばれた理由を教えてください。

 実は候補先については他に2社ありました。いずれも当初相談した窓口の公的機関が紹介してくれた先です。1社は事業シナジーが乏しい他業種の会社でこちらは早々にお断りしました。もう一社は同業者でしたのでシナジーがある会社でしたが、業務提携で進めるという話になり進めていたのですが、いつの間にか連絡がなく話がなくなりました。

 

 そんな中、つながり株式会社さんから紹介いただいたのが今回の譲受会社です。今回譲受してもらった会社ですが実は取引先にあたります。譲受会社の営業担当も定期的に出入りがあり、また今回交渉において責任者をしていただいた譲受企業の方も以前からよく知った人でしたのでそういった点で安心感はあったのは事実です。何の実情もわからない会社と交渉を進めるよりか、少しでも知っている会社と交渉をする方が心理的なハードルは低かったです。ですが一番の決め手については先ほど申し上げた通り、自社の成長をさせてくれるのに一番良い会社だと思ったからです。

 

 譲受会社はノベルティグッズのインターネットでの販売を主事業としており、自社にはない営業力を有しておりました。一方、譲受会社の方も製造加工を外注しており、内製化していきたいとのビジョンを持っていたのでお互いの想いが合致したM&Aとなったと思います。

 

 とはいえ取引先だからスムーズにいったわけではありません。大事な会社を引き受けていただくにあたり、本当に大丈夫なのだろうかという思いはありました。そのため、相手先との面談を重ねたことは一番良かったと思っています。複数回の相互訪問で率直な懸念共有と価値観の擦り合わせを実施しました。相手の誠実さ・敬意など非言語情報も含め確認できたことが大きかったです。

 

成約後の現在の心境や会社内部の変化はありましたか?

 成約日には心の切り替えは事前に完了しており、調印時の大きな感情変化はありませんでした。正直なところ何か大きな気持ちの変化があるのかと思っていましたが変化はなかったので自分としても意外でした。大きな理由としては今回の譲渡の形態によるものが大きいと思います。オーナーとしては変更になったものの、従業員・取引先への影響を考え引き続き代表取締役として残って会社には残っているので日常が変わらないですからね。組織体制も大きく変わらず従業員の動揺もなかったので離職もなく、皆引き続き働いてもらっています。長年の自走型人材育成方針のもと、決定前に幹部・従業員と対話し選択肢を明示。月次の個別面談で情報開示し透明性を確保したことが従業員の不安を最小化できたと思います。

 

 またオーナーとしての負担が軽減したのは良かったですが、その分、新たなオーナーに対しての貢献意識が芽生えてきました。オーナー変更で設備投資をしていただいたからです。冷房増設、PCの更新、台車やプリンター増設など、快適性と生産性に直結する投資を実施してもらいました。従来抑制していた支出が承認されやすく、現場のモチベーションが上がりました。資本的支出は逐一相談し承認を得るプロセスで円滑に進行しています。日常運用は現場に任せ、投資は合意形成を丁寧に図る体制で、現場ニーズが迅速に反映されていると思っています。

 

 今後は販売会社(譲受企業)×製造加工会社(譲渡企業)の補完関係で、営業力と製造力の相乗効果を最大化できるように、オーナー側のビジョン・戦略の共有などしていただきながら、自社として具体的な貢献をどのようにしていくかが課題です。

 

今事業承継に悩まれている会社に一言アドバイスはありますか?

 やはりオーナー経営者として所有し経営をしている会社を手放すというのは一番の葛藤があると思います。ただ会社は公のものという考えを持っていますので、会社がどのようにすれば一番良いのかという視点で考えました。自分の経営であればこれぐらい事業展開ができそうだ、この会社と一緒になればこれぐらい事業展開ができそうだと天秤にかけてみて、自分がオーナーシップを手放した方が会社や従業員にとって良いと判断したのなら手放す。感情で考えるのではなく合理的に考えていけば良いと思います。

 

 ただ相手先の見極めは重要ですので、ほんとに相手先が自社にとって価値を最大化できる相手なのか、従業員の雇用条件など守ってもらえるのかを見極めることが重要だと思います。

 

アドバイザーの所感

 本件は、製造加工から「名入れ・表彰文」というソフトをコアと再定義し、外注化と印刷事業でシナジーを広げてきた企業が、営業力補完と持続可能性の確保を目的に第三者承継(M&A)を選択した事例である。親族・従業員承継の現実性を見極め、従業員参画と透明性を重視した社内コミュニケーションで合意形成を図り、既存取引先で信頼関係のある譲受企業を譲渡相手に選定。従業員処遇を守る約束を対面で確認し、クロージング後も業務は連続性を維持、離職なく運営が安定している。新体制下での設備投資により職場環境と生産性が向上し、士気も向上。M&Aの価値を「適切な承継による事業と雇用の継続・拡大」と捉える合理的な判断であり、今後は譲受側企業のビジョンの把握とKPI共有を通じて、販売×製造の補完関係を計画的に成果へつなげることを目指している。

 

 本件の成功要因としては双方向のコミュニケーションを重視したことが一番の要因である。今後の従業員の処遇や譲渡先への懸念点や不安な点を直接コミュニケーションにより言語情報だけでなく非言語情報でも安心感を醸成。コミュニケーションによる懸念点を払拭できたことが大きな要因であった。今後も可能なかぎりサポートをしていきたい。

 

 また、当社つながり㈱に対して、一般的な売り込み型仲介とは違い、きめ細かく誠実な対応で不安が生じず、資料準備や進め方の指導も適切と大変うれしい評価をいただけた。今後も本件のような良いM&Aができるよう邁進していきたいと思う。

 

 経営者としての引退や事業承継をご検討の方は是非一度お問合せください。

(アドバイザー:つながり株式会社 代表取締役 日坂登紀広)

 

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